第6号議案「淡路ファームパーク イングランドの丘指定管理者の指定」に対する反対討論
私たちは、民間委託指定管理に対する態度として、その指定管理が、住民福祉にどのように役に立つのかという事をもっとも重視します。
今回提起された、イングランドの丘の指定管理について南淡路農業公園(株)に4年間、4年間も今後継続して指定管理を託すことが住民福祉向上という課題にとって、果たして適切かどうか、もっと慎重に検討されるべきと考えております。「公の施設」は住民の福祉を増進する目的を持ってその利用に供するための施設です。施設設置の目的を果たす上で今回の提案について問題点を指摘し反対討論を行います。
イングランドの丘については、平成13年の事業開始より、事実上ほぼすべての事業を株式会社ファームに運営を委託しています。その間の利用者は平成13年−67.6万人をピークに、14年59.8万人、15年−51.5万人、16年−44.5万人、17年−41.5万人と毎年40万人を超える来園者を誇る南あわじ随一の観光施設です。毎年出される業務報告によればこの間の年々の剰余金の推移、平成13年度14年度は2年間で1154万円、15年−345万円、16年−346万円、17年−328万円であります。一方その間の売上高収入はH13年10億487万円、14年−10億1763万円、15年8億7733万円、16年−7億3446万円、17年−6億5479万円、と大きく変動し、またその間の入場者数も大きく変わっていながら、剰余金はそれらの事情とは無関係に毎年ほぼ、340万円前後の計上となっています。売上金に対し、剰余金の額とのアンバランスは全く奇妙です。その間雇用者は13年から16年にかけては平均125人前後、17年は95人となっています。13年から16年にかけては雇用者数で大きな変動がないのに給与手当は最大時平成15年度4億3273万円、H16年度3億4389万円とほぼ9000万円の差があるというのも誠に不自然であり、これまでも幾度となく質疑が交わされ、資料提出を巡っては助役の不誠実な姿勢の発言、資料提出を協議すると発言したり、そんなことは考えていないと発言したり、が指摘されるなどまさに物議を醸してきたテーマでした。売上金と剰余金のアンバランスについては、成功報酬として利益に応じ、その算定率を上下させて株式会社ファームに提供されることから発生していると執行部からの説明がされています。こうした手法は、企業会計あるいは、法人税法上の問題性も懸念されており、その契約内容については議会への資料提供が拒否されたままです。この間、執行部が進めてきた企業の立場を守るという理由で資料開示を拒否するという態度は公の施設の運営の公正、平等が担保できないものとなっています。
今回提出されている他の指定管理施設では、たとえば利用料収入を徴収する施設の「ゆーぷる」、「水仙郷」、「うずしお村」、「メガフロート」の4施設では施設使用料を市に納めることが明記されています。同じく使用料を集める施設の中でも赤字が見込まれる施設については施設使用料を徴収しませんが、このイングランドの丘は剰余金の計上に不透明さがある上、剰余金を生み出しながら、施設利用料を徴収しないという他の類似施設とは別格の取り扱いとなっています。
また、南あわじ農業公園株式会社は事実上職員が一人しかいないことがこの間の質疑で明確になり、業務そのものがほとんど株式会社ファームに委ねられているというまさに「ペーパーカンパニー」としての実態が浮かび上がってきています。
また、職員について、産業建設常任委員会では「一人をのぞいて、すべて株式会社ファームからの出向」と断定していながら、総務常任委員会では、「出向とは断定していない」と食い違った答弁がされました。これは、委員会答弁の真実性、信憑性に大変な疑念を生じさせるものであり、誠に遺憾であると表明せざるを得ません。職員の就労状態が、出向なのか、派遣なのか、請負なのか、法規に照らして違反がないのか、執行部の説明責任はまさに重大で、働く人の立場を守る姿勢にかけています。
こうしたことから、南淡路農業公園株式会社に指定管理をゆだねることは、住民の利益につながらないばかりか、株式会社ファームの運営や結ばれている業務指導料契約についての疑念が深まり、市民とともにイングランドの丘を支えていくということにはならず、イングランドの丘のイメージダウンが増幅するのではないでしょうか。さらに、「リスクの分担」については、前回の協定書に明記されていなかったものが今回盛り込まれ、これまでの執行部の答弁とは大きな食い違いがみられます。
こうしたことから、産業建設常任委員会で早急な指定管理契約の変更を求める意見が数多く出されております。執行部は、一刻も早く株式会社ファームとの直接的な指定管理契約に移行することを厳しく求められています。しかしながら、今回提出されている、南淡路農業公園株式会社との指定管理契約では契約期間を4年間としており、「早急な移行」を表明した答弁とは明らかに矛盾し、到底認められるものではありません。
議員の皆様におかれましては以上の状況をご賢察いただき、この契約について認めることのないよう評決をいただくこと重ねて求めまして、討論と致します。